本日の○○(仮)

いろんなモノを書いたり『薔薇族』作ったり、幅だけはやたら広くやってるおっさんの身辺雑記です。オレに関心ない方にはあまりお勧めできないかもね(笑)。

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書評『ブックカフェものがたり』(矢部智子ほか/幻戯書房)

 飲食店て、誰かといっしょの時でもないかぎり、基本的に利用しない男なんですよ。ビンボーな本読みにアリガチな、
「外食して散財するなら、自炊して浮かせたお金で一冊でも多く本を買いたい!」
 というタイプなんで。ですから、都内でも有数のグルメ地帯に住んでるくせして「どこにどんな店があって」「どこが美味しいか」なんて情報はまったく知らず、遊びに来た友人知人たちからはことごとくあきれられている次第です。
「なんで地元民なのに知らないのさ!?」
 と。ゴメンね、不粋な男で。
 同時に、もンのすごく他人に気を遣う性格でもあるんです。経営者でもなんでもないのに回転率までもかってに考えたりして、
「パッと注文して、パッと飲むなり食うなりして、パッと勘定はらって出てかないと店に悪いよな」
 とか思ってしまいます。だから定食屋でソースのしみのついた半月おくれの少年ジャンプとか読みながらタラタラと食ってるようなヤツを見ると、
「とっとと食って出ろや! 迷惑だろうがッ」
 などとお節介にも店主にかわってイラついたりしてるんです。我ながらちょっと病的ですね。
 そんな男ですから「世の中には“ブックカフェ”なるシロモノがある!」と最初に知ったときには、ちょっとした衝撃をうけました。
 だって本を読むってことは、一冊まるまる読了はしないにしても、けっこうな時間がかかってしまう行為じゃないですか。コーヒー一杯いくらするのかはわかりませんけど、たぶん何百円の範囲でしょ? たかだか何百円で何時間も居座られても我慢する……ていうか、
「おおいに長居してくださ?い」
 みたいなことを言えてしまう店主サンがいるなんて、にわかには信じられないわけですよ。生来のうたぐりぶかい性格なもんですから、「ウェルカム長居客」なんて口では言ってても、よく見ると眼は笑ってないんじゃないか? とか勘ぐってしまったり……。いま改めて思ったんですが、ヤッカイな性格ですね。自分で言うのもナンですが、あんまり友達になりたいタイプじゃないですよ。
 そんなオレが大胆にも今回、『ブックカフェものがたり』の書評モニターに加えてもらったのは、月並みではありますが、
「店主さんたちのホンネの部分を知ってみたい」
 と思ったから。どんな動機で「こういった店をやろう」と思い立ち、どういった手順でオープンにこぎつけ、何を思いながら日々の営業をつづけているのか……そんな、客として利用するだけでは見えないリアルなところを覗いてみたかったんです。
 さっきも言ったように猜疑心のメチャメチャつよい性格ですから、
「地域と出版業界の文化向上のために!」
 みたいな“キレイキレイのお話”的なものは基本的に信じません。“ヤなところ”とか“ナマグサイ部分”とか、そういうところを見せてもらってようやく「ちょっと信用しようかな」と思うわけです(あくまでも“ちょっと”ですヨ)。
 さて、そういった経緯で読ませていただいた『ブックカフェものがたり』ですが、うん、なかなかオモシロカッタです。さすがに“ナマグサイ”というところまではいきませんが、シビアな部分にもちゃんと言及していて、「イイことしか言わないヤツは嘘ツキ」を座右の銘とするオレでもシラけずラストまで読みきれました。
 また、ひとくちに「ブックカフェ」と言っても、店によってコンセプトや業態がちがう、というのも新発見。すべてが「店内の本をお好きに読みながら、ゆっくりお茶を楽しんでください」というわけでない(たとえば第二部『ブックカフェ開業講座』講師の石川あき子さんのお店のように“ブックショップ”と“カフェ”が独立しているトコもあるんですね)ってことも、この本を読んではじめて知りました。よかったですよ?、知らずに行って不作法なことしてニラまれちゃう前にわかって。
 閑話休題。ブックカフェ的なお店って、はた目にはかなり“パラダイス”ぽく映るじゃないですか。
「もののわかったオトナのお客様たちと深みのある会話を楽しみながら、一杯々々真心のこもったコーヒーを煎れる毎日……なんてステキ!」
 とか。勤め人生活に行き詰まっているタイプほどこの幻想をいだきやすいようであります。
 申しおくれましたが、オレは“ゲイ”という、まぁ、なんといいますか世間的なアツレキがなにかと多い人種に属しているんですが、そのせいか“お仲間”の中には現実にかなり疲れてしまっている人も少なくないんです。
 彼らというのはかなりの確立で、ブックカフェ的な店を開きたいとか言いますね(ゲイがひらくのはバーなんじゃないの? と思うかもしれませんが、チッチッチッ、最近はお酒を呑らないゲイも増えてるんですヨ)。
「お客様と温かいコミュニケーションのとれるスペースをもちたいんです!」
 と――。でも、話を聞いてみるとだいたいが「甘い!」。というか、ツライ(と当人の思っている)現実からの“逃げ場所”にしてしまっています。だから資金のメドをぜんぜん立てていなかったり、よしんば立っていたとしてもオープン後のヴィジョンがロクになかったり。要するに、
「なんとかなるデショ!」
 という楽観主義があるわけですよ、根っこのところに。徹底的“客観”人間(悲観、とはちがいますヨ念のため)であるオレとしては、ぶっちゃけ「イヤんなってしまう」感じなんですが、そういう人たちというのは総じて思い込みが激しいモンですから(そもそも“世の中に自分の居場所がない”とか“カフェを開けば居場所ができる”とかいうのも勝手な思い込みデス)、なにか言ったところでムダだろうと最初からあきらめ、ほっといてたワケなんです。
 けれど……ウン、今度からは『ブックカフェものがたり』を勧めてみようかな、と思います。登場オーナーのみなさんは基本的にポジティヴ人間なのか、あまり苦労談的な記述はありませんが、それでも「理想に賛同した善意の人々が助けてくれる」なんておとぎ話は、
「絶対にない!」
 ということはキッチリ書かれていますから、まぁよっぽどのオバカサンでないかぎり、計画のほころびをチェックしてくれることでしょう。そうでない人は、もう、ほっときます。
 と、ここでまたまた閑話休題。自分ももうけっこうイイ歳になりました。これまでずっと、
「食事なんてものぁただの燃料補給サ!」
 などとうそぶき続けておりましたが(かの宮崎駿センセイも同様のことを言っておられるそうですね)、さすがに最近はちょっと考えを改め(少しは“ゆとり”というものを持とうと思ったわけです)、“意図的に”独りで外食なんぞをするようになりました(まだ“楽しむ”という域には達してませんが)。
 というわけで、永らく様子をうかがい続けてきたブックカフェにもボチボチ行ってみようかと思っています。第三部(『ほかにもたくさんある、個性派ブックカフェ』)に、自宅近くのお店も、幸いいくつか載ってましたから。これもなにかの縁だと思って。
 どこかのお店のテーブルで、どこかギコチない様子で、巣穴から顔をだしたプレーリードッグみたいに周囲を見まわしてる客がいたら、それはたぶんオレです。挙動不審ではありましょうが、どうぞやさしく“見て見ぬフリ”をしてやってくださいね。
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  1. 2005/12/17(土) 11:21:10|
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